そこのお嬢ちゃん
いつからか
私は
お嬢ちゃんになった。
「そこのお嬢ちゃん、いくつだね?」
「お嬢ちゃん、背が高くなったね。」
お嬢ちゃん…
お嬢ちゃん…
私は名前で呼ばれなくなった
寂しさを感じつつ
その言葉には
重みがあったのだと、
今改めて思うようになった。
⛱⛱⛱
今日は傘屋だった祖父の誕生日。
生きていたら100+歳。
今では傘は
コンビニでもどこでも
買いたい時にいつでも買える。
使い捨てのビニール傘で溢れている。
でも昔はそうじゃなかった。
今日は一日、
祖父が張り替えをした傘を
大切に丁寧に
使い続けてくれた人たちの姿を
ふと、想像して過ごしてみた。
そうしたら
祖父の言葉を、
祖父のあの声を、
無性に聴きたくなった。
「そこのお嬢ちゃん」
きっと祖父は
通りを歩く小さな子どもたちが
嬉しそうに
楽しそうに
水たまりで遊んで
傘をくるくる回しながら
雨の中を歩く姿を見て
満面に笑みを浮かべていたのだろう。
「そこのお嬢ちゃん、
素敵な傘だね。」
と言いながら…
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いつもお読みいただきありがとうございます。たまごです。
私は祖父が大好きだったので
今でも、傘をさすたびに
祖父のことを思い出します。
思い出すと言っても
祖父の生きたほんの一部だけ。
私は祖父が傘を売っていた頃を
実は直接見たことがありません。
だから、
“祖父が張り替えた傘を
一度で良いからさしてみたかった…”
という思いを込めて
今日の記事を書きました。
祖父の人生があってこそ
いまの私がいると思うと
感謝の気持ちが溢れてきます。
皆さんは大切な人、大好きだった人が
いますか。
ここまでお読みいただきありがとうございました😊
たまご
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