Tamago Studio Japan

絵本作家/イラストレーター。英語/日本語コーチ。化学物質過敏症のため自分のペースで作品作りをしています。家庭菜園、自然散策、ものづくりが好き。健康、食、教育、文学、詩、語学、家族の日常などの様々なことについて綴りながら、丁寧に生きることを心がけています。

備えられた人たちに支えられて

全身の力が抜けて

 

 

全てが遠く離れていく気がした

 

 

その途端

 

 

私は

一瞬意識を失いました。

 

 

 

 

すぐに

意識は戻ったものの、

 

 

両手がひどく痺れていた私は

まだ何も握れませんでした。

 

 

 

担架の上にぐったり横たわり

 

変色しかけた唇で

 

微かに聴こえる程度のか細い声で

 

 

私は精一杯言いました。

 

 

「ありがとうございます」

 

 

 

 

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いつもお読みいただきありがとうございます!

たまごです。

 

 

 

皆さんは温泉が好きですか。

 

私は山登りの後の温泉が好きで

 

下山した後には決まって

山の麓の近くの温泉へ行っていました。

 

ここ数年は体調の関係で山登りを控えていますが先日、とても久しぶりに温泉へ行きました。

 

 

 

 

露天風呂から上がったあと

急に体が冷えたからか

 

ひどい目眩がして

 

 

しばらくの間

 

側にあった手すりに

力いっぱいしがみつきました。

 

 

私はいつもの目眩だと思い

ゆっくり屋内に戻りました。

 

 

でも

 

 

このときはすぐには治らず、

またさらにひどく目眩がしました。

 

 

 

近くの手すりにつかまっていた間に

 

意識が朦朧(もうろう)として

吐き気がして

 

 

 

 

 

 

 

 

気がついたら私は

数人の女性たちに囲まれていました。

 

 

 

 

大浴場の左手から

水筒を持った一人の女性が現れて

 

「まだ口をつけていないから。」

 

と言って

 

かすかに開いた私の口にその水を注ぎ、

声を掛け続けてくださいました。

 

 

 

 

 

一緒にいた母に

後で聞いた話によると

 

 

私は

 

ゆっくり

とてもゆっくり

 

後ろに倒れていったようでした。

 

 

そして

床に完全に頭を打つ前に

 

私の周りにいた人たちがすぐに

 

私の背後に

ビート板のような柔らかいものを

いくつも敷いてくれていたようでした。

 

 

 

そのときたまたま

 

従業員の方が浴場にいたそうで

 

すぐに別の従業員を呼んでくれた

 

ということを知りました。

 

 

 

 

生まれて初めて担架に乗ったとき

 

従業員の女性が何度も私に声をかけて安心させてくださいました。

 

 

 

私は彼女たちの優しさを身に染みるほど感じました

 

 

 

そこで

 

優しく差し伸べられた

 

女性たちの温かい手は

 

 

意識を取り戻し始めた私の目に

 

はっきりと映っていたのでした。

 

 

 

 

脱衣所に移動した後すぐに

母が私の体にかけてくれたタオルは

 

全身を、そして心を温めてくれました。

 

 

 

 

私を担架にのせて運んでくださった

その従業員の女性は

 

①他の人を気にせず

 静かに休める場所に私を案内して

 

②嘔吐用のビニール袋を用意し

 

③私の首元に冷たいタオルを巻き

 

④私の足元に数枚のタオルを敷いて

 しばらく足を高くしたまま

 安静にするように言い、

 

⑤お水を飲ませてくださいました。

 

 

 

 

ここまでの過程で

 

何一つ

欠けていたことはなく

全てがスムーズだった。

 

と母が言っていました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一時間ほどして

ようやく痺れがなくなり、

 

起き上がって

ゆっくりと歩き出しました。

 

 

 

呼吸をし、自分の足で歩く。

 

 

そのことが

 

生きてるという実感

私に湧きたたせたのでした。

 

 

 

 

今回の経験から

私は

 

があることの有り難み

 

人の優しさと誠実さ

 

行動に移す勇気

 

人ひとりが周囲に与える影響力

 

自宅での食糧貯蔵以外にも

外出先やいざという緊急時のために

備えていることの大切さ

 

日常生活の中で経験している

全てのことが人に役立つこと

 

 

などたくさんのことを学びました。

 

 

 

寒くなって体調を崩されていませんか。

身体は何よりも大切な贈り物の一つだと思います。どうぞご自愛ください😊

 

たまご

 

追伸:

成熟した木の枝が細い枝をしっかりと支えている姿を見て、

 

私も

たくさんの成熟した、備えられた人たちに支えられて生きているのを感じました。

 

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